秋こそ正しい知識とケアを 美髪に導く女性ホルモンとのつき合い方

女性のココロとカラダに大きな影響を及ぼすといわれる女性ホルモン。秋は夏のダメージや寒暖差などの影響で、自律神経が乱れやすくホルモンバランスが崩れがちです。そのせいで髪にも不調が起こりやすいといわれています。そこで、髪の不調の対処方法をよしき銀座クリニックの吉木先生にうかがいました。


よしき銀座クリニック
院長 吉木 伸子 先生

横浜市立大学医学部卒業。1998年よしき皮膚科クリニック開院。皮膚美容科学と漢方を取り入れた皮膚科治療を行うかたわら、多くの書籍、雑誌、メディアを通じて正しいスキンケアを指南。2023年よしき銀座クリニック開院、より多くの患者に寄り添う治療にまい進。著書に『大人のヘアケア再入門』(青春出版社)など多数。

―髪の毛の成長は、女性ホルモンと関係しているのですか。

 髪の毛はタンパク質や脂質などでできています。女性ホルモンが関係するのは、髪の毛の根本である毛根です。この毛根から栄養を吸収して髪の毛は成長するのですが、この髪の成長サイクルに、女性ホルモンが関係するといわれています。女性ホルモンが減少すると、このサイクルに乱れが生じます。その結果、髪が細くなる、少なくなる、薄くなるなどの現象が起きることがあるのです。

―誰もが避けられないエイジングの影響から、白髪が増えて悩む人も多くいます。白髪と女性ホルモンは、関係していますか。

 髪の毛球部分には「メラノサイト」(メラニンを作る細胞)があり、ここで作られたメラニンが髪の毛に渡され、髪は黒くなります。白髪は、このメラニンがなんらかの原因で作られない、髪の毛に受け渡されなくなることから起こります。残念ながら原因やメカニズムは解明されていませんが、女性ホルモンが白髪に関係すると現時点ではいえないので、過剰に気にする必要はないでしょう。

―では、薄毛の悩みに、女性ホルモンは関係がありますか。

 女性ホルモンである「エストロゲン」は髪を豊かにする作用がありますが、40代半ばころから徐々に減っていきます。そのため、毛量が減ったり、髪が細くなったりしてしまうケースは多くあります。

―薄毛の悩みに対して、できることはありますか。

 女性ホルモンが減るのは止められませんが、薄毛を防ぐさまざまな育毛剤が開発されていますので、クリニックなどで処方してもらうのもひとつの手。またストレスや不規則な生活などはホルモンバランスを崩す要因となります。ストレスをまったくなくすことは難しいのですが、心穏やかに、規則正しく過ごそうとするだけでも助けになってくれるでしょう。

―いま迎えている秋は、夏のダメージで髪の傷みが気になる時期です。髪の艶にも女性ホルモンは関係するのでしょうか。

 パサついて艶がなくなる大きな原因に、ダメージが挙げられます。パサつきは、髪の表面を守るキューティクルがはがれて髪の毛内部のタンパク質が流出し、髪内部がスカスカになった状態です。これを防ぐために、紫外線やヘアアイロンなどによるダメージを減らしましょう。
 そして髪も肌と同じように、血液から栄養をもらって成長します。その成長サイクルを整えるために、睡眠や食事内容に気を付けて、女性ホルモンの分泌状態を良くすることも、髪の状態を改善することに役立つといえます。

―女性ホルモンを整えることも含め、髪を美しく健康に保つために、セルフケアのコツはありますか。

 髪の毛はケラチンというタンパク質できているので、健やかな髪を作るには、材料となるタンパク質が必要です。肉や魚を1日100gは食べましょう。
 また、鉄分も大切です。貧血の状態では髪が細くなり乾燥するので、カツオ、マグロ、レバーなど動物性の鉄分を意識して食べるといいでしょう。さらに、女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンを含む豆腐や納豆、みそなどの大豆食品をとり入れると、髪や肌の健康をキープする助けとなってくれるでしょう。

―生活習慣などで、いますぐとり入れられることはありますか。

 早寝早起きを心掛けると自律神経のバランスが整います。自律神経の働きが良くなるとホルモンバランスも安定します。また、適度な運動によって血行や新陳代謝を促すことも、自律神経を整え、ストレス解消にもつながります。心身の調子が良くなる生活を心掛けてホルモンバランスを整え、髪の健やかな成長をサポートしましょう。 100人いれば100通りに。一人ひとりの悩みに向き合ったオーダーメイドな治療を 1998年、銀座によしき皮膚科クリニックを開院した吉木伸子先生。美容皮膚科が日本にほとんどなかった当時から、多くの書籍出版や講演会を行うなど、美容皮膚科の牽引者として活躍。5万人を治療し、2023年、医院を「よしき銀座クリニック」と改め、銀座中央通り沿いに形成外科、内科、婦人科、歯科も含めた総合美容クリニックとして再発進。「クリニックでは、一人ひとりに丁寧なカウンセリングを行い、悩みに合わせた治療を提案しています。最先端のレーザーを用いた治療や美容外科手術の相談、日々のスキンケアなどの相談まで幅広く対応しています」(吉木先生)。そのほか栄養相談や点滴まで、体の中から美と健康を保つ味方となってくれます。 よしき銀座クリニック [診療科目]一般皮膚科、美容皮膚科、形成外科、内科、婦人科、
      歯科、理学療法、東洋医学・鍼
[診療受付]月~日(完全予約制) 10:00~12:30、14:00~19:00
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