眼を酷使する時代だから知っておきたい「眼圧」のこと

テレビやインターネットで見聞きする「眼圧」という言葉。でも実際その正体をきちんと知っている人は少ないようです。「低い方がいいの? 高い方がいいの? そもそも眼圧って一体なに?」。今回はその答えを、なえ眼科クリニック院長 上木先生にうかがってきました。


なえ眼科クリニック
院長 上木 奈恵 先生

日本眼科学会認定眼科専門医
加齢黄斑変性PDT認定医
視覚障害者用補装具適合判定医

―「眼圧」とはなんのことをいうのですか。」

 眼圧とは、簡単にいうと「眼球の内圧」、つまり「目の硬さ」のことをいいます。眼球はゼリー状の硝子体と房水という栄養を含んだ水分で形作られています。  眼球内の血管のないところに栄養を行き渡らせるために、毛様体という場所で常に一定量、房 水が作られ、排水管の役割をするシュレム管から排出されています。つまり、常に一定量の水が目の中を循環し、これにより風船のように中からの圧力がかかり眼圧が保たれているのです。この房水の量が増えたり、シュレム管が詰まるなどして流れ出る量が減ると眼圧は高く、逆の場合には低くなります。瞼の上から触れてみると分かりますが、眼球はぷにぷにと少し弾力があるものです。これが硬すぎると眼圧が高い状態です。

―測定することができるのですか。また基準値はありますか。

 眼科にある専用の測定器で測ることができ、一般的には20以内が正常範囲とされています。ですがこれには個人差があり、20以内であったとしても視神経に障害が出る方などは治療を要することもあります。

―「高過ぎたり低過ぎたりすることで、かかる病気はありますか。

 低くなる場合に関しては、通常の生活で疾患が出るほど眼圧が下がることは非常にまれなため、あまり心配はいりません。  主に注意が必要なのは、眼圧が高くなることにより起こる緑内障という眼疾患です。  

―緑内障とはどんな疾患ですか。

 眼圧が上がり過ぎることで視神経を傷め、視野が狭くなる、視力が下がるなどの視覚障害が起こります。現在、日本の失明原因第1位ともいわれており、40歳以上の約5%がかかる疾患という調査結果も発表されています。これは「20人に1人」ということになり、決して少なくない割合です。

―自覚症状はあるのですか。

 一般的な症状は視野の欠けですが、自分ではなかなか気づきにくいものです。なかには緑内障発作といわれ、眼圧が急上昇することで頭痛・吐き気・目の痛みなどを訴える方もいますが、一般的にはゆっくりと進行します。また、視野は両目で補い合ったり、脳が欠けた部分を形成して補ったりすることがあるため、自覚症状として視野の欠損に気づいたときには、かなり進行している場合がほとんどといえます。

―治療法を教えてください。

緑内障治療に最も重要なことは、何よりもまず眼圧を下げ、これ以上視神経が障害されないよう、また視野障害が進行しないようにすることです。現在、眼圧を下げる点眼薬は数種類あり、症状や体質に合わせて処方します。それでも効果が見られない場合は、排水を促すレーザー治療や手術が行われます。弱くなった視神経を元に戻すことはできないため、手術をしても欠けた視野が戻ることはありませんが、初期の段階で治療することで、多くの場合は失明を回避できます。

―日頃、眼圧を上げないように心掛けることはありますか。

眼圧は、日常の些細なことで変動します。たとえば、立つ、座る、横になるという動作だけでも変動しますし、摂取する食事でも変動するといわれています。厳密には上がる動作をしないということになりますが、それでは生活ができなくなってしまいます。 眼圧を上げないよう心掛けるよりも、定期的な緑内障検査を受けることをおすすめします。緑内障は自覚症状がほとんどないため、ほかの症状で来院してたまたま見つかることや、人間ドックなどの健診で分かることがほとんどです。緑内障治療は早期発見がとても重要になりますので、とくに目に違和感や症状がなくとも、40歳を過ぎたら定期的な緑内障検査を行うよう心掛けていきましょう。

「健康であると確認するためにも来院を」。敷居は低く、医療技術と意識は高く。 約260店舗も有する大型ショッピングモール「ららぽーと海老名」内1階に位置するなえ眼科クリニック。好立地なうえ、土日も診療してくれる当院は、いつも多くの患者さんが来院されています。人気の理由は“オールマイティな来やすさ(気安さ)”。最先端OCTやAFを使用した糖尿病網膜症検査、緑内障検診、レーザー治療や眼瞼痙攣のボトックス注射、眼瞼下垂手術など小手術まで網羅した高い医療対応だけでなく、ちょっとした違和感や不安にも丁寧に向き合ってくれるという信頼にあります。「健康である確認にも来院してほしい」とおっしゃる上木院長先生のお話しぶりは、的確でありながら穏やか。「なんでも話せる」という大きな安心感を与えてくれる、まごころクリニックです。 なえ眼科クリニック TEL 046-206-6090 [診療科目]眼科
[診療時間]10:30~13:30、14:30~18:30
[休診日]木曜日
神奈川県海老名市扇町13-1 ららぽーと海老名 1F
最寄り駅 JR線・小田急線・相鉄線 海老名駅
URL http://nae-ganka.jp/greeting.html