食物繊維の働きと効率的なとり入れ方

有害物質を排出

 食物繊維とは、消化酵素によって消化されない成分で、過去には役に立たない栄養素といわれていたこともありました。
 しかし、腸の働きを刺激して、腸内に発生した有害物質の排出を促すため、便秘を予防したり、腸にかかわる病気を抑制したりと大切な働きをすることが分かっています。
 そのため、食物繊維が不足すると体にはさまざまなトラブルが起こります。最も身近な例が便秘や痔です。また、排出されなかった有害物質が長く腸内に留まることで、腸内環境が悪化して、がんのリスクが高まることもあります。

煮物やおひたしがオススメ

 では、食物繊維は1日にどのくらいの量をとれば良いのでしょうか。それが、左上の図の通りです。
 効率的に量を多くとるためには、煮物やおひたしなどにした方が、かさが減ってたくさん食べることができます。また、ごはんに押し麦や玄米を入れたり、パンを全粒粉入りにしたりすることも効果的です。
 とはいえ、いちいち量を計って食べることはなかなかできません。そこで、食物繊維が足りているかどうか、毎朝の排便でチェックしてみましょう。食物繊維が足りていると考えられる状態は、まず1日1回の排便があること。そして、黄色い便がバナナ2本分くらい出て、トイレの水に浮いていることです。
 毎朝の食物繊維チェックで、元気な体をきちんと維持しましょう。

1日の摂取目標量 成人男性 20g以上
成人女性 18g以上
■目安
ごぼうの場合 1本半~2本

多く含まれる食材

今回のアドバイザー


管理栄養士 アトレ川崎店 水野 ちひろ

食物繊維は、脂質異常症や糖尿病などの予防にも期待できます。しっかりとり入れましょう。